幹事会からのお知らせ
先に東大原子力研究総合センターの原研施設利用共同委員会宛に要望書を提出致しま
した。この要望書は、国立大学法人にあたって、東大原総センターのもとでのこれま
での原研施設利用制度が引き続き継続されることを望むものでした。国立大学の独法
化と時を同じくして、原研とサイクル機構の統合、新法人化が進んでおり、施設側の
原研に大きな変化が生じる可能性があります。
これまで原総センターを通して原研施設の共同利用を行ってこられた方はよく理解さ
れると思いますが、この制度は大学側利用者にとっては非常に重要な存在です。大学
と原研の2つの異なった”風土・土壌”の間に入って、この上ないインターフェース
として機能しています。J-J統合後、あるいは省庁統合後、大学ー原研間の目に見え
ない垣根が低くなり、やがて取り払われることが理想ですが現状では楽観視できま
せん。そのような中で、原総センターの共同利用の制度や、大学開放研の存在がなく
なり、一方的にJ-J新法人の中に共同利用制度が生まれたとしたら、これまでと同様
の機能を果たせるかどうか、はなはだ心許ないと言わざると得ません。
このような状況を踏まえて、原総センター宛の要望書に加えて、施設を持つ原研サイ
ド(統合準備会議)にも同様の要望書を送ることを検討し、幹事会、拡大幹事会メン
バーにより添付の文面を作成しました。
多くの会員の方は既にご存じのことと思いますが、京都大学原子炉実験所の研究炉の
存続が危ぶまれています。10月1-3日に放射化学会が大阪の泉佐野で開催されました
が、会期中、放射化分析分科会(注1)の時間枠を使って開催された放射化分析研究
会総会(注2)で、京大原子炉存続に向けての要望書を出すことを提案して、了承さ
れました。要望書の文案を当日会場で配布し、皆様の意見をお聞きしていましたが、
最終的に10月10日に原子炉実験所所長宛送付しました。(参考資料として京大原子炉
の特集号である「放射化分析」No.14を一緒に送りました。)送付した要望書を添付
します。今後の状況に関しては随時お知らせする予定ですが、この件で御意見等あり
ましたらお寄せ下さい。
(注1)放射化学討論会(とそれに続く放射化学会)には、核化学、α放射体、環境
放射能、放射化分析の4つの分科会があり、学会会期中、分科会の集まりがある。
(注2)一昨年暮れの放射化学会理事会において、放射化学討論会(放射化学会)の
放射化分析分科会の運営を放射化分析研究会で行うことが了承された。それを受けて、
分科会の時間を放射化分析研究会総会とする方針とした。今年はほぼその通りの運営
となった。
○ 連携重点研究
平成15年度より東大原子力研究総合センターの公募課題として連携重点研究が始まり
ました。放射化分析関係では「多重ガンマ線検出と即発ガンマ線分析によるリアルタ
イム非破壊超微量元素分析法の開発と実試料への応用」という課題が走っています。
連携重点研究は大学と原研が協力しながら推進するもので、大学側のリーダーとして
海老原が原研側のリーダーである物質科学部の大島真澄氏と共同ですすめています。
上記課題は平成15年度から5年の計画で申請されていますが、各年度に中間報告を兼
ねて申請書を出す必要があります。平成16年度の申請(継続)をするに当たり、この
研究に参加希望される方は海老原まで御連絡ください。平成16年度の当該研究課題の
内容は以下の通りです(原総センターからおって配付される公募要領に掲載される内
容です):
「JRR-3Mの中性子ガイドビームホールに多検出器型のγ線スペクトロメータを設置し
て、リアルタイムで中性子即発γ線測定および短寿命核種放射化分析を超高感度で行
うシステムを開発する。これをいろいろな試料に適用して、多重γ線測定による放射
化分析の可能性を具体的に明らかにする。
本年度は、初年度(平成15年度)に検討した諸課題を継続し、さらに新たな展開を
目指す。具体的には、JRR-3Mの冷中性子ビームラインに多検出器型ガンマ線スペクト
ロメータを設置し、性能試験を含めた基礎的データの取得を計画する。また、各種試
料を用いて、多重ガンマ線検出器による測定を試みる。一方、初年度に引き続き、
off-lineで利用できる多重ガンマ線分析装置を用いて多重ガンマ線分析の実践を積み、
中性子ビームを用いた即発ガンマ線による多重ガンマ線分析が装置完成とともに遅滞
なく実施できるように準備する。」
積極的なできるだけ具体的な研究課題を考えた上でお申し出くださることを強く希望
します。原総センタへの締切はまだ先ですが、今後の見通しをたてる都合上、成るべ
く早く御連絡ください。質問等も歓迎です。
○ 拡大幹事会
1.日時:7月9日(水) 午後5時から(約1時間半〜2時間を予定)
2.場所:東京大学原子力研究総合センター3階第1会議室
3.会計報告、会員動向、事業計画、役割分担などについて
○ 幹事の選挙
過日、放射化分析研究会の新幹事選出の選挙を行いましたところ、下記の7名の方が
新幹事として選出されました(アイウエオ順):
海老原充、河野公栄、木川田喜一、澤幡裕之、高田実弥、豊田和弘、村松康行