Q. どんな試料が分析できるの?
A.

各放射化分析法で分析可能な試料形態が異なります。ここでは、利用者が一番多い中性子放射化分析(NAA)の場合について説明します。

基本的にはどの様な固体試料でも分析可能です。ただし、原子炉内へ試料を挿入しますので、次の注意が必要です。(試料を原子炉内に挿入し、中性子を当てることを、「照射」と呼びます。)

挿入用カプセルにおさまる大きさである必要があります。
原子炉内での放射線環境ならびに熱に対して安定な必要があります。有機系試料(試料包装材も含む)では照射時間を考慮する必要があります。
中性子を非常に吸収しやすい元素、特にCd、が主成分である試料は、施設により制限される場合があります
施設によりますが、溶液試料をそのまま、または、凍結後ドライアイスと共に照射することが可能です。
非破壊放射化分析は、試料の形をかえずにそのまま分析したい場合や、完全な溶液化が困難な試料に特に有効です。